昨年7月の豪雨災害で被災した熊本県人吉市紺屋町の老舗「上村うなぎ屋」が10日、1年1カ月ぶりに営業を再開する。豪雨で、すべて流失した秘伝のたれも復活。創業当初から守り続ける“人吉の味”がよみがえる。
上村うなぎ屋は創業114年。3代目の由紀穗さん(71)の祖父が球磨川支流の山田川近くに開店した。あっさりした甘いたれが、ふんわり焼き上げるウナギを包む逸品だ。県内外の来店客で約100席は連日埋まり、店先には行列ができていた。
それが、豪雨で山田川が氾濫。濁流は店舗1階の戸を押し流し、一気に2階まで流れ込んだ。近くの自宅から駆けつけていた妻惠子さん(69)や次男元気さん(41)らは3階に避難。創業以来継ぎ足してきた、たれが入ったすり鉢を持ち出す余裕はなかった。冷蔵庫は倒れ、調理場や焼き台も泥をかぶった。
由紀穗さんは災害後に心身の体調を崩し、閉店も考えた。ただ、泥出しのボランティアで連日来てくれる常連客らの姿に、「もう一度やってみよう」と少しずつ前を向けるようになったという。同じ場所での再開を決め、店内を改装して座席数は80席とした。
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参照:熊本日日新聞(https://kumanichi.com/articles/349382)