プロローグ:両親からの挑戦状
「死ぬまでに、もう一回東京に行きたい。あと富士山も見たい。」
実家でくつろいでいる時、両親からそんなリクエストが飛んできた。
数十年ぶりの東京、そして日本一の山・富士山。 これは単なる旅行ではない。
「絶対に失敗できない親孝行」という名のミッションである。
私は覚悟を決めた。 「任せて。最高のプランを作ります。」
こうして、父・母・ヒロシ(兼 ツアーコンダクター)の3人旅が幕を開けた。
1日目:ここは本当に日本か?箱根のインバウンド熱
熊本空港を飛び立ち、まずは空の上から運試し。
窓の外を覗くと……いた!富士山!!


幸先の良すぎるスタートに、両親のテンションも急上昇。
よかった、この時点で私の任務の30%は完了したと言っていい。
寿命を買いに大涌谷へ
羽田から新幹線と登山鉄道を乗り継ぎ、目指すは箱根・芦ノ湖。
海賊船に揺られ、ロープウェイで大涌谷へ。
ここでの目的はただ一つ、「黒たまご」だ。
「1つ食べれば7年長生き」という魔法のアイテム。
両親にはとりあえず食べていただいた。
これでしばらく長生きしてもらえるはずだ。



芦ノ湖は「外国」だった
それにしても驚いたのは、周りを見渡しても日本語が聞こえてこないこと。
欧米からアジアまで、ありとあらゆる言語が飛び交っている。
「あれ、私たちパスポート持ってきたっけ?」 と錯覚するほどのインバウンド需要。
日本の観光地、恐るべし。



宿泊は芦ノ湖畔のホテルでフレンチを堪能。
そして翌朝、窓の外には朝焼けの富士山がドーンと鎮座していた。
ホテルの予約サイトと睨めっこして決めた甲斐があった……(ガッツポーズ)。






2日目:東京ダンジョンとスカイツリーの洗礼
「皇居!浅草!スカイツリー!」
2日目は新幹線で東京へ。ここからが本番だ。
両親の希望を全て叶えるゴールデンルートを強行突破する。
人・人・人!
皇居や浅草寺は、もはや「お祭り」のような騒ぎだった。
仲見世通りは牛歩戦術。
両親がはぐれないように背中を見守る私の目は、SP(セキュリティポリス)のように鋭くなっていたと思う。






ラスボス、スカイツリー
最大の難関は、旅の締めくくりに訪れたスカイツリーだった。
夜景の時間帯。
そこには、終わりの見えない長蛇の列が。
ここでもインバウンドパワーが炸裂している。
「……並ぶ?」 「……せっかくだから並ぼう」
覚悟を決めて行列に挑み、ようやくたどり着いた展望台。
眼下に広がる東京の宝石箱のような夜景を見た瞬間、疲れも吹き飛んだ。
「昔の東京タワーとは高さが違うねえ」と感動する両親を見て、SPの顔からヒロシの顔に戻る私。
その夜はスカイツリー近くのホテルに宿泊。
翌朝、窓辺でスカイツリーを見上げながら優雅に朝食を食べた時、ようやく「東京を攻略した」実感が湧いてきた。








3日目:築地で食い倒れて、熊本へ帰還
最終日。私たちの胃袋に休息はない。
向かったのは食のワンダーランド、築地場外市場。
「へいらっしゃい!」の威勢のいい声と、外国人観光客の熱気。
お寿司、海鮮串、和牛、そしてデザートのフルーツ。
「もう食べられない……」と言いながら、次の店で財布を開いているのはなぜだろう。
築地は人の食欲をおかしくさせる魔力があるらしい。








エピローグ:筋肉痛と達成感
羽田から飛行機に乗り、熊本へ。
阿蘇の山並みが見えた時、正直ホッとした。やっぱり熊本は落ち着く。
今回の旅の教訓。
- 東京の人口密度をナメてはいけない。
- 親孝行旅行は、体力が資本。
- でも、両親の笑顔はプライスレス。
「また行きたいね」と言ってくれた両親。
次はもう少し人が少ない温泉地でのんびりしようと、心に誓ったのであった。
お読みいただきありがとうございました!
次回のブログもお楽しみに♪



